漫画『覚悟のススメ』の簡単なあらすじ・内容・ネタバレ!
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「負けることが恥ではない!戦わぬことが恥なのだ!」という言葉と共に、眼鏡をかけた筋肉ムキムキのほぼ全裸の少年が刀を構えたカラーページという強烈な始まり方をしますが内容はもっと強烈です。
21世紀初頭の地殻変動によって世界中の生態系が破壊され、大部分で人が住めなくなった世界が舞台です。
建物は倒壊し毒ガスが蔓延、巨大化した生物や身体に異常をきたした人間がうろつく危険地域となった東京・私立逆十字学園にある日、白ランを身にまとった鋼鉄の鞄を持つ少年が転校してきます。
少年の名は葉隠覚悟。旧日本帝国軍で戦略人間兵器の開発に携わり、多くの捕虜を人体実験で殺戮した戦争犯罪者・葉隠四郎の子孫で、常人では持つこともままならない鋼鉄の鞄の中には、そのおぞましい研究の秘密が隠されていました。
下校中に怪物と化した異常者「破夢子(はむこ)」の襲撃に遭った旧友たちですが、主人公の覚悟が助けます。
身にまとった強化外骨格『零』は葉隠四郎の人体実験により命を奪われた、3000の捕虜の魂と恨みから生み出された意志を持つ鎧であり、恐るべき耐衝撃性や化学兵器を搭載した戦略人間兵器です。
葉隠覚悟は戦争で多くの命を奪うために作られたその力を、人間の命と尊厳を守るために使おうとします。
しかし、その覚悟のもとへ刺客を送り込む存在があります。それは零と同じ経緯で作り出された強化外骨格『霞』を着装し、人間でなくなった覚悟の兄・散(はらら)だったのです。
人間の尊厳のために戦う覚悟と散の戦いが始まります。「当方に迎撃の用意あり!覚悟完了!」というセリフで、この漫画を知っているという方も多いのではないでしょうか。
漫画「覚悟のススメ」はどんな人におすすめ?
一般的に山口貴由先生の漫画といえば『シグルイ』の方が有名かもしれません。
個人的にはこの頃の『覚悟のススメ』『蛮勇引力』『悟空道』を描いていた時の山口先生が、一番キレキレだったように思います。
山口先生ご本人も後書きで「この頃の漫画はもう描けない」と振り返るほどです。
実際、シグルイ終了後に描かれた覚悟のススメの続編『エグゾスカル零』はシグルイの展開に引っ張られてしまい、当時の勢いがなく私のような原作ファンでも受け入れがたい内容でした。
テーマとしては人間側の覚悟と人間を恨む存在の散との戦いの中で「人間の尊厳とは何か?人間によって破壊される人間以外の存在を誰が守るのか?正義とは何か?」というものがあります。
いきなり内臓や血しぶきが飛び交い、半ばギャグのようなノリで人間がバンバン死んでいく荒廃した世界観ですが、とにかくセリフと展開にいちいちツッコむ気がなくなるほど、読者を納得させる言いようのない熱さと勢いがあります。
また、名ゼリフを挙げればキリがありませんが、零を着装できない丸腰の状態で散の居城・ガラン城に乗り込んだ覚悟が炎を使う敵と相対した時に突然全裸になり、部下たちが驚く中で散が微笑んで「何だか知らんがとにかくよし!」と言い放つシーンがありますが、このセリフが「覚悟のススメ」のノリを最も端的に表しているセリフだと思います。
そして最終決戦を経て、ついに諸悪の根源は滅び地球には生命の息吹が少しずつ蘇ります。
並大抵の漫画ならご都合主義だと文句を言う人も出るところですが、息もつかせぬ怒涛の勢いと胸に残るゼリフと共に一気に突き抜けるため、読み終えれば文句を言うどころかマラソンを完走した後のような満足感があります。
この漫画はキャプテン翼やテニスの王子様、逆境ナイン、彼岸島といったギャグなのか本気なのかは分からないが、妙に勢いのある展開が好きな方は絶対にハマる漫画だと思うのでおすすめです。
逆に細かい整合性が気になってしまい、突飛な設定を受け入れない空想科学読本が好きなタイプの人には合わないかもしれません。
好き嫌いのはっきり分かれる漫画ですが、好きな人は絶対ハマると思うので是非読んでみてください!
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