漫画『軍靴のバルツァー』の簡単なあらすじ・内容!舞台は19世紀のプロイセン王国
今回は漫画「軍靴のバルツァー」の簡単なあらすじや内容を紹介します。
舞台は19世紀のプロイセン王国(現在のドイツ連邦共和国)に似た仮想世界の帝国主義、軍事国家であるヴァイセン王国であり、主人公はヴァイセン王国の優秀な少佐ベルント・ヴァルツァーという青年です。
彼はその卓越した軍事手腕を買われ、通常よりずっと早く佐官に昇進するという順調な出世街道を歩んでいました。
そんなある時、ヴァルツァーは上官から命令を受けます。それは軍事国家ヴァイセン王国の同盟国でありながら、軍事的にはヴァイセン王国の足元にも及ばないほど遅れている「バーゼルラント」の王立士官学校の顧問として派遣されることです。
士官学校に到着したヴァルツァーが目にしたのは、自身の祖国であるヴァイセン王国に比べてあまりに前時代的な遅れた訓練だったのですが、士官学校の生徒たちはヴァルツァーのもたらす新しい軍事的な知識や理論などを見て彼を慕うようになっていきます。
そんな中、ヴァルツァーと彼の生徒たちはバーゼルラントの第二王子と王立士官学校で知り合うことになり、次第にバーゼルラントの王室での派閥争いや、ヴァイセン王国と対立する周辺国家の間に起こる戦争に巻き込まれていくことになります。
まさに激動の時代であった19世紀のドイツと同じく、ヴァルツァーをはじめ彼の教え子や後輩、バーゼルラント王室は激動の時代を近代的な軍事理論や近代兵器を用いながら生き抜いていきます。
漫画「軍靴のバルツァー」の見所は?
この漫画の見どころは近代ドイツの軍事国家という歴史背景、そんな世界で力強くしたたかに生き抜いていく登場人物達にあります。
この漫画の作者である中島三千恒さんはこの時代の文化や歴史、軍事事情、兵器などについて非常に詳しく正確に描かれていて非常に楽しく読み進めることができます。
また、この漫画の大きな魅力の一つに中島三千恒先生の美しい絵があると思います。
例えば、主人公のベルント・ヴァルツァー少佐の軍服はもちろん砲台や銃などの兵器、女性のドレスや王族の衣服など、すべてが繊細で緻密なタッチで描かれています。
ただ、読んでいて思ったのは中島先生があまりにこの時代のドイツの事情に詳しいので少し内容が難しく、この漫画の対象年齢は少し高めなかもしれません。
中高生が読んで楽しい漫画というよりも、大人がゆっくり当時の歴史を考えながら巻末や章と章の間に書かれている当時の文化や軍事に関するコラムを読むと楽しめるかと思います。
破天荒な性格でありながら、戦場では信じられないほどの冷静さと実力を発揮する主人公や、様々な性格や事情を抱えた彼の生徒たち、常に真面目ではあるが少々頭の固いバーゼルラント第二王子、ミステリアスな雰囲気漂うバルツァーの元戦友など登場人物も個性的です。
それぞれが様々な魅力をもつこの漫画はかなり面白いので是非読んでみてください!