漫画「Mr.FULLSWING(ミスターフルスイング)」のあらすじ・内容

Mr.FULLSWING(ミスターフルスイング)のあらすじ

漫画「Mr.FULLSWING(ミスターフルスイング)」は2001年から5年間、週刊少年ジャンプに掲載されていた野球漫画です。

高校野球を舞台に甲子園出場から、現実にはない都道府県別のトーナメントを描いていますが、いわゆる青春野球マンガとは異なりギャグ漫画としての一面もある読んでいて楽しめる作品です。

 

野球素人の帰宅部員、猿野天国(さるのあまくに)が野球女子の鳥居凪に一目惚れして野球部に入部し、全国屈指のスラッガーへ成長していく物語です。

猿野天国が入部する十二支高校は、かつて十数年前に甲子園出場を果たした古豪ですが、当時の野球部の古い体質、年功序列をそのまま続けていたため1回戦敗退の常連校まで実力が下がってしまいました。

新たに監督に就任した羊谷遊人はかつての十二支高校の野球部員。それも甲子園出場当時のレギュラーです。

羊谷監督は実力主義を取り入れ、猿野天国の同級生も含む1年生の多くがレギュラー入りを果たします。

ちなみに野球部改革を果たした羊谷監督、普通の野球漫画では熱血教師か冷静な切れ者のイメージになりますが、何と借金だらけの遊び人のしょうもないおじさんです。その辺りは、ギャグ漫画の要素がふんだんに含まれています。

野球漫画とギャグ漫画の2面性!「ミスターフルスイング」の見どころ

野球漫画とギャグ漫画の2面性 ミスターフルスイングの見どころ

ミスターフルスイングの楽しみ方は、真面目な野球漫画とギャグ漫画としての楽しみ方の2つがあります。

野球漫画としての楽しみ方としては、非現実的なトレーニングや架空の技術も多くありますが、野球の基本的なルールや戦法は作中にも解説があり、内容も簡単で読みやすいです。

 

もう1つはギャグ漫画としての楽しみ方です。最近の漫画は少々下品な表現や少し時代を知っていなければ分からないギャグが少なくなりますが、年代を問わず子どもも両親も家で声を上げて笑える漫画でもあります。

肝心のストーリーですが、物語の始まりから野球部でのレギュラー獲得まではギャグシーンが多くをしめました。

 

その後の高校野球開幕からはギャグシーンは徐々に減り、地区大会準決勝では憧れのマネージャー鳥居凪の兄が投手兼スラッガーとして所属する強豪校、私立センブリッジ学園と対戦します。

十二支高校野球部マネージャー鳥居凪の兄、鳥居剣菱は努力タイプの高校球児。太く長い竹ざおでのスイングや、公園の木にゴムチューブをかけて肩のトレーニングを続け傾けてしまうほどです。

鳥居剣菱のチームメイトも小学生の頃から共に野球を続けてきたメンバーです。体制を改めた新興の野球部十二支高校と、チームとしての経験が十分な超高校級の選手を擁する私立センブリッジ学園の試合は、青春野球漫画といってもいいでしょう。この1巻を読みきった後は非常に清々しい気分になれたものです。

ミスターフルスイングは野球以外のギャグシーンが受け入れられずらい面もありますが、古き良きギャグ漫画と青春野球漫画の2つの面を併せ持った、夏の高校野球シーズンに楽しめるおすすめの1冊です!