漫画「猫絵十兵衛 御伽草紙」のあらすじ・内容!
時代小説や時代劇が好きな方、妖怪の物語が好きな方おすすめしたいのが漫画「猫絵十兵衛 御伽草紙」です。
この漫画の主人公は江戸時代に実際に存在した「猫絵売り」を生業としている謎の多い青年です。猫絵売りとはその名前の通り猫の絵を売るという職業で、これは江戸時代のネズミ除けとしてお札的な役割を期待されていたものだと言います。
そんな職業で食べていけるの?と思うかもしれませんが、お札と同じように一年たったら猫絵も交換する必要があり、しっかり仕事として成立していたようです。
十兵衛は幼いころ、親に捨てられたのか気づいた時には猫に囲まれた生活をしていて、ある日絵描きの師匠に拾われました。
そこから人間生活に復帰をしましたが出生不明、それまでの生活が不明で、どうやら猫の言葉が解るようで人には知られぬよう猫とも会話をしています。
そんな十兵衛を面白がって一緒にくっついているのが、猫又の大親分的な存在で三毛猫のニタです。
また、同じ長屋には爽やかな剣豪で強い青年でありながら猫嫌いといった侍や、世話焼きな住民たちがいて、楽しい日常を送っているのがうかがえます。
ニタと十兵衛が会話するというファンタジー的な物語要素がありながらも、当時の時代背景や習慣などもきっちり書き込まれていて見ごたえのある漫画です。
漫画「猫絵十兵衛 御伽草紙」の見所を紹介!
漫画「猫絵十兵衛 御伽草紙」の見どころとして一番に挙げたいのは、猫のかわいらしさや切ないお話です。
「みゅ?」と鳴く子猫はそれだけで可愛いのですが、この漫画では金目銀目の(当時の日本で青い目の猫は珍しい)猫が妖怪扱いされていたのをお寺の和尚が拾い上げます。
「高僧を食えば寿命が延びる」と狙ってくる妖怪をやっつけるかわりに、ただの猫でないとばれてしまい、一緒に暮らせなくなるというお話では泣けましたね。
また、別のお話では後妻打ち(うわなりうち)といって、前の妻を理不尽な理由で追い出した場合、後妻相手に前の妻が乗り込んできて家中を叩き壊すという風習があったのですが、それを猫同士で行うことでギスギスしたお話が良いお話になります。
他にもこのシリーズではおっさんでの師匠の人間的魅力や、大女とバカにされる女性の内側の優しさ、子供なりの気遣いとったありきたりでない魅力が余すことなく描かれています。
普段はあまり漫画を読まない年配の方もこの漫画は色々と共感しやすく、また普段から漫画を読む人も楽しいと思えるシリーズです。
ちょっと疲れた時や息抜きをしたい時、シリーズものですが途中の一冊を読んでみても十分楽しめるので、手に取られてみてはいかがでしょうか。